このページの先頭へ

ヤフーが手がけるデジタルチケットとは?

2015年2月23日

スマートフォンがイベントチケットに――。電話やネットで予約して近くのコンビニで発券、紙チケットを手に会場へという従来のイベント参加の方法が、スマートフォンの普及によって変わりつつあります。イベント情報の入手からチケットの購入、そして入場までもがスマホで完結する、いわゆるデジタルチケットサービスがここ数年の間に続々と登場。デジタルチケットに対応したイベントも増加傾向にあります。

今回は、「Yahoo! JAPAPN」の運営会社、ヤフー株式会社に、同社が手がけるデジタルチケットの販売プラットフォーム「PassMarket(パスマーケット)」の概要をお聞きしました。

スタート2年弱で400万枚以上のデジタルチケットを販売

「利用者数は2015年2月現在で150万人、これまでにおよそ430万枚のチケットを販売しました。無料チケットの場合は一切手数料がかかりません。イベント主催者の方にお気軽に利用していただきたいと思っています」。最初にこう話してくれたのは、ヤフーでPassMarketを担当する和田さん。

PassMarketは、2013年4月に一部法人向けのクローズド・サービスとしてリリースされました。翌年2014年6月には一般向けのサービスがスタート。この間に蓄えられたノウハウと利用者からのフィードバックをもとに改良を行い、誰もが使いやすいサービスを追求しています。

デジタルチケットの販売プラットフォームは、チケットを買う人(参加者)と売る人(主催者)の出会いの場ともいえます。参加者と主催者、双方の観点からPassMarketの機能やサービスをみていくことにしましょう。

ヤフー株式会社 和田さん

スマホ1台でチケットの購入から入場まで

イベントに参加したい人は、事前に専用のサイトでチケットを購入すれば、紙チケットを発券することなく、スマホなどの携帯端末を使ってイベント会場へ入場できます。

チケットは、Yahoo! JAPAN IDもしくはメールアドレスで購入できます。IDを持っていない人はヤフーのサイトから無料で取得可能です。チケット代金の決済はクレジットカードのほか、「Yahoo! ウォレット」(ヤフーが提供するネット上の“お財布” )、コンビニ支払いに対応。同時に複数枚購入した場合には、チケットをメールや無料メッセージサービス「LINE」で友達に送ることができます。

入場する際には、購入したチケットのQRコードをスマホ画面に呼び出して係員に読み取ってもらうか、画面をタッチして「もぎって」もらいます。iPhone(iOS6以上)のPassbookにも対応。スマホを持っていない方はパソコンから印刷した紙チケットを提示して入場することもできます。
 チケットを保存したり表示したりするための専用アプリも用意されており、これを使えば、通信環境が悪い場所でも表示可能です。チケットを簡単に取り出せるため入場時にモタつく心配がありません。

「一度体験するとわかるのですが意外に簡単ですよ。最近ではスマホを使ったサービスが増えてきたためか、みなさん慣れてらっしゃいますね。スムーズに入場していただいています」と和田さん。
 サービス開始当初はとまどう方もいらっしゃったようですが、とくに若者層を中心にデジタルチケット・電子入場は日常の風景になりつつあるようです。

PassMarket アプリ

主催者はまず最初にイベントページを作ろう

主催者はチケットを販売するためにどのような作業が必要なのでしょうか。

PassMarketで扱うチケットは無料・有料を問いません。また、規模の大小による制限もなく、少人数のワークショップから大規模なイベントまで対応しています。
 まず最初に行うのが「イベントページをつくる」作業です。PassMarketにYahoo! JAPAN IDでログインし、画面に表示される手順に従って開催日や会場などの情報を入力します。ブログの更新ができる方ならば、それほど難しい作業ではないでしょう。

有料チケットの場合には、販売代金を受け取るためのYahoo! ウォレット(受取口座)の登録が必要となります(登録無料)。チケットには、QRコードとスマホもぎり(入場時にお客様のスマホ画面を係員が直接タッチしてもぎる方法)があります。スマホを使わない手動受付も。参加人数などを勘案して適した受付方法を選択します。

入力が完了するとPassMarket内にイベントの告知ページができあがり、設定した日よりチケットの販売がスタートします。

主催者向けには、受付時に使う専用アプリ「PassMarket for Organizer」(無料)が用意されています。スマホを使ってお客様のチケット(QRコード)を読み取る機能や販売状況の確認機能などを搭載。電波状況が悪い場合でも、オフラインモードで対応できます。また、アシスタントモードを使えば、複数人での受付対応も可能です。
 数千人規模の大型イベントや、受付用のスマホが用意できない場合、素早く受付したい際には専用の受付機器の貸し出し(有料)も行っています。

受付専用アプリ「PassMarket for Organizer」

チケットを販売する際の気になる費用は?

PassMarketでは、法人でも個人でもチケットの販売ができます。無料チケットの場合は手数料が一切かかりません。有料チケットの場合の決済手数料はチケット販売額の3.24%(特別な対応を希望する法人は同5%)と、従来のチケット販売サービスと比べると低く抑えられています。これまで費用がネックだった主催者も導入を検討しやすい価格設定といえます。
 なお、イベント終了後10営業日以内に、チケットの販売代金から決済手数料を引いた額が主催者の口座に振り込まれます。

チケット販売開始!イベントをPRしよう

販売がスタートしたら主催者はイベントの告知・集客に注力します。Yahoo! JAPANが非常に集客力のあるポータルサイトであることは、PassMarketのアドバンテージです。法人契約の場合には、ヤフーユーザーへのメールマガジンにイベント情報を掲載することも。

PassMarketを使えば、入場用のチケットだけでなく、割引クーポンや引換券などの配布もできます。先着順・抽選といった販売方法の設定、購入者へのアンケートも可能。FacebookほかSNSと連携して、効率的に宣伝・集客を行えるのも魅力です。また、メールアドレスを入力することなく参加者にメッセージを送れる機能は、次回のイベントのお知らせやキャンペーンの告知に役立ちます。

「開催日が近づくに従って販売が伸びる傾向にあります。PassMarketは開催前日でも登録できるため、残っているチケットをさばきたいときにも便利にお使いいただけます。また、入場直前まで販売できるので当日券としても利用できます」(和田さん)
 主催者自身の努力や工夫によって参加者を増やせる、自由度の高いサービスといえるでしょう。

左より、Bluetoothプリンター連携(当日券の発行)、BluetoothQRコードリーダー(高速受付)、伏せ型端末(高速受付)

デジタルならではのトラブルは?

便利な機能がたくさんありますが、一方でデジタルならではのトラブルはないのでしょうか。和田さんにお聞きしました。

─会場での受付時にチケットが取り出せないといったことはありませんか?

「参加者のID・パスワード忘れや、チケット画面が表示されないなどのアクシデントが想定されますが、名前で確認してもらうことができます。参加者用のPassMarketアプリを事前にダウンロードしログインしておけば、電波がない状態でも利用できるほか、会場への道順もアプリから確認できるため安心です」

─チケットの不正コピーや情報漏えいなどの心配は?

「不正コピーについてですが、ひとつのチケットで受付できるのが一回だけのため、不正行為の抑止となっています。情報の管理については、非常にセキュリティの高いサーバーを使用していますので、安心してご利用いただけます」

QRコードチケットをかざして入場(伏せ型端末による認証の様子)

あらゆるモノ・コトをオンラインで販売

PassMarketは、コンサート、映画試写会、展示会、演劇、スポーツ大会、セミナー、説明会、ワークショップなどのイベント参加チケットはもちろん、宿泊予約、各種教室の集客、整理券・クーポン配布といった用途にも使えます。変わったところでは仲間内の飲み会の集金にも。工夫次第でいろいろなモノやコトに幅広く利用できそうです。

「区民フェスや婚活イベントなど、自治体にもご利用いただいております。規模も数人から数万人まで様々です。みなさまからは、『作業負担が減った』『宣伝・広告費を削減できた』『幅広い層に告知ができた』『ヤフーのサービスを使うことでセミナーのブランディングになった』…とうれしい声が届いていて、リピート率も高いですね。ファンクラブやサークル・同好会といった、会員組織をすでにお持ちの方にとっても便利なツールだと思います」(和田さん)

──イベントでの導入が進むデジタルチケットサービス。とはいえ、実際に利用するにはまだ不安だ、という主催者も多いのではないかと思います。従来の申込方法を残しながら、一部をデジタルチケット化することもできます。まずは無料イベントからトライしてみてはいかがでしょうか。