イベントコラム

食べ歩きイベントを電子チケットアプリで快適&スマートに!

街や地域、観光地、レジャー施設などを舞台としたエリア回遊型イベントが各地で開催されています。なかでも、地域内の複数の飲食店をめぐる、チケット制の食べ歩き&飲み歩きイベントが人気です。いろいろな店に気軽に立ち寄ることができ、各店の自慢の味を楽しめるとあって参加者に好評。食を通して地域の魅力を伝えられることから、まちおこしや地域活性化イベントにも活用されています。

食べ歩き・飲み歩きイベントを開催するためには、参加店舗の開拓のほか、チケットの制作と販売、イベント終了後の各種集計・精算作業などが必要です。紙チケットを使う場合には、チケットの印刷に加え、参加者への物理的なチケットの受け渡し、使用されたチケットの集計・精算といった煩雑なアナログ作業が避けられません。

いま、従来の紙チケットにかわり、スマートフォンなどを使う電子チケットが急速に普及拡大しています。ペーパーレス&キャッシュレス、情報変更が容易で、チケット売上や利用実績がリアルタイムで把握できるなど導入メリットの多い電子チケット。今回は、回遊型イベントに特化した電子チケットアプリ「ぶらりん」を提供する、株式会社サン・コンピュータ(本社:青森県八戸市)の担当者に、食べ歩き・飲み歩きイベントにおける電子チケットの活用メリットや導入方法などをお聞きしました。

イベント仕事人に聞く

株式会社サン・コンピュータ

システム部・中家義和さん/営業部・佐々木賢一さん

食べ歩き・飲み歩きイベントを手軽に開催できる電子チケットアプリ「ぶらりん」を開発・運営。食のイベントを通して土地の魅力を発信できる地域活性化ツールとして好評です。

食べ歩き・飲み歩きに特化した電子チケットアプリ「ぶらりん」

─まずは、電子チケットアプリ「ぶらりん」について教えてください。

佐々木さん:「街バル」や「ドリンクラリー」といった食べ歩き・飲み歩きイベントが全国各地で開催されています。かつては、こうしたイベントは、紙のチケットやパンフレットを配布して開催するのが一般的でしたが、その紙の部分を電子化したのが弊社の電子チケットアプリ「ぶらりん」です。

「ぶらりん」はアプリストアからダウンロードできる無料のアプリです。イベント参加者はアプリからキャッシュレスで飲食チケットを購入して、そのチケットを対象店舗で使うことができます。チケットの購入は、クレジットカード決済とPayPay残高決済に対応しています。

「ぶらりん」は、チケット販売枚数や金額、店舗で使用されたチケットの情報など、すべてのデータをデジタル管理していますので、イベント状況が即時把握できるほか、イベント終了後の集計・精算といったイベント主催者様の作業を大幅に軽減してくれます。

スマホでチケットを購入。イベント参加店舗でチケット画面を提示して使用

─コンサートやスポーツイベントなどの電子チケットとの違いは?

佐々木さん:スマホを使うところは同じですが、チケット枚数の管理に違いがあります。コンサートなどの電子チケットは、一般的に「特定の場所で一人がひとつのサービスを受けられる」入場券としての役割と言えます。それに対して「ぶらりん」は、ひとつのセットに複数のチケットを「つづる」ことができます。例えば、800円分の飲食チケット5枚をセットにして3,500円(500円割引き)で販売するといったことですね。さらに、チケットごとに、使える飲食店やエリアを指定できるため、エリア内をくまなく回遊してもらうなど、主催者様の意図を反映したチケットの設計ができます。

ひとつのセットにさまざまなチケットを「つづる」ことができるのが特徴

─電子チケットアプリ「ぶらりん」開発のきっかけは?

中家さん:私たちサン・コンピュータが本社を置く青森県八戸市は港町で、豊かな海の幸を味わえる横丁がたくさんあります。昔は賑わっていたのですが、今は以前ほどではありません。そこで、「八戸の横丁の魅力を一人でも多くの人に伝えたい」「街の活気を取り戻したい」という思いから、常連でなければ入りにくい横丁を、誰でも気軽に入れるようにと「お試し入店アプリ」を2015年に開発しました。気になる店でお試しセットを気兼ねなく楽しめるアプリです。2018年には八戸市で居酒屋をめぐるドリンクラリーイベントを開催。その際に電子チケットをつづれる機能を搭載しました。これを機に、回遊型イベントに特化した電子チケットアプリとして開発を進め、現在の形にまで進化しました。

─回遊型イベントを効率的に開催できるアプリということですね。

中家さん:そういうことです。チケット制の回遊型イベントを簡単にスムーズに実施できるアプリを目指して開発しました。ちなみに、「どの店でどのチケットが使われたか」を記録していますので、これにより、スタンプラリー的なイベントに仕立てることもできます。

地元の横丁に活気を取り戻したいという思いから電子チケットアプリの開発がスタート

電子チケットの導入は主催者・店舗・参加者にメリットあり

─電子チケットの利点を教えてください。

佐々木さん:電子チケットのメリットは4つあります。ひとつ目は、変更に迅速に対応できることです。ここ数年は新型コロナによりイベント開催期間などの変更を余儀なくされることがありましたが、データの書き換えだけですぐに対応できました。紙チケットの場合は印刷をやり直さないといけませんよね。変更に臨機応変に対応できるのが電子チケットの大きな利点と言えます。

2つ目は、紛失や盗難のリスクが低いことです。紙チケットはうっかりなくしてしまうことがありますが、スマホに入った電子チケットは紛失しにくく、盗難や偽造のリスクも低くなります。

3つ目は、保管が簡単なこと。チケットは使う日まで保管しておく必要がありますが、デジタルならチケットはスマホの中。当日チケットを持ってくるのを忘れた!ということもありません。店舗側のメリットも大切です。店舗は参加者が利用したチケットを、精算時まで保管しておく必要があります。長期イベントの際は紛失のリスクも含めてこれが店舗の負担となります。電子チケットならデータが自動集計されますので、店舗によるチケットの保管は不要です。

4つ目は、電子チケットはペーパーレスですから環境負荷が低減できることです。昨今は当然ながらイベントも環境への配慮が求められますから、大切なポイントだと考えています。

─電子チケットならではの機能はありますか?

佐々木さん:電子チケットはイベントの変更に迅速に対応できることに加え、アプリのプッシュ通知機能を使って、その変更内容を直接利用者にお知らせできることも利点です。例えば、イベント期間が延長された、参加店舗が追加されたなどですね。また、購入されたチケットの利用率が低い時にチケットの利用を促すメッセージを送るといったことも可能です。タイムリーに利用者にインフォメーションできるのも電子チケットの強みと言えます。

「ぶらりん」なら、前売券や当日券、同じ店舗で何度も使える回数券も設定可能

─電子チケットはイベント主催者、店舗、参加者、それぞれにメリットがありそうです。

佐々木さん:はい、その通りです。まずイベント主催者様にとっては、開催期間の変更などに柔軟に対応できる点が大きいでしょう。チケットの印刷代もかかりません。すべてのデータがデジタル管理されているため、チケット販売枚数・金額、利用実績など、知りたい情報が管理画面からリアルタイムに確認できます。イベント終了後の集計作業や店舗との精算作業もスムーズに行えます。

店舗では、料理・飲み物を提供する際はチケット画面を見せてもらうだけで、いわゆる“もぎり”作業は不要です。チケットの受け取り・保管の必要はありません。チケットの利用人数、売上といったデータは店舗用の管理画面からリアルタイムにチェックできます。

イベント参加者は、いつでもキャッシュレスでチケット購入が可能。スマホひとつで気軽にイベントに参加できます。紙チケットの保管・持ち歩きは不要。購入したチケットは、友達や家族などにプレゼントすることもできます(プレゼントは受け取る側も「ぶらりん」アプリのインストールが必要)。

電子チケットは、主催者・店舗・参加者みんなにメリットがある優れた仕組み

全国どこでも対応OK!電子チケット導入の流れを確認しよう

─「ぶらりん」を導入する際の流れを教えてください。

佐々木さん:ご興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。弊社が提供する電子チケットサービスについてご説明させていただきます。無料のテスト環境(現在はAndroid端末のみ)をご用意していますので、導入前に実際にお試しいただくことができます。

導入が決まりましたら、管理画面の操作方法などを詳しく解説します。イベント情報の登録は弊社で行い、その内容を主催者様にご確認いただきます。店舗情報の登録は、弊社で行う場合と、主催者様側で行う場合の2パターンです。

─「ぶらりん」をスムーズに導入するために留意する点はありますか?

中家さん:参加店舗がすでに決まっている、あるいはチケットの販売価格が決まっているなど、決定事項が何かあるとスムーズに導入が進むことが多いです。参加店舗が決まっていれば、最短2週間ほどでイベント開催まで持っていけると思います。

佐々木さん:…とはいえ、細かいところまで決まっていなくても大丈夫です。イベントのテーマや集客イメージをお聞かせいただければ、チケット構成に落とし込む部分など、具体的にサポートさせていただきます。これまでの多くの実績・ノウハウをもとに、ベストな方法をご提案します。

─イベント終了後の処理はどのようになりますか?

佐々木さん:電子チケットアプリ「ぶらりん」からご購入いただいたチケット代金は、決済代行会社を経て、いったん弊社に集まります。そこからシステムの使用料(後述)などを差し引いた金額をイベント主催者様に振り込みます。主催者様はチケットの利用実績に応じて店舗に代金をお支払いするという流れになります。

中家さん:ちなみに、紙チケットを使ってこの精算を行うのは結構大変です。使用されたチケットの枚数を店ごとに数え、それに応じて代金を店舗に振り分けるという作業が発生します。「ぶらりん」の管理システムでは、店舗ごとの使用チケット枚数・売上が自動集計された「支払い明細書」を発行できます。これをもとに精算作業ができますので、紙チケットに比べ、手間を大幅に減らすことができます。

─遠方の主催者についてもサポート面は問題ないでしょうか?

佐々木さん:もちろんです。弊社の拠点は青森県ですが、基本的にサポートや打ち合わせは、Zoomなどリモート形式で行うことが多いため、距離に関わらずサポートをお受けいただけます。実際に、「ぶらりん」を採用いただいているお客様は、関東・東海ほか遠方の方が大勢いらっしゃいます。どうぞご安心ください。

スマホがチケットになる電子チケットアプリ「ぶらりん」

電子チケットアプリ「ぶらりん」はシンプルな料金体系

─「ぶらりん」の利用料を教えてください。

佐々木さん:「ぶらりん」の利用料は、初期導入費10万円(税別)と、チケット売上金額の10%または12%です。10%と12%の違いですが、店舗名や営業時間など参加店舗の情報を主催者様が登録する場合は10%、登録作業を弊社におまかせいただく場合は12%となります。いずれにせよシンプルな料金体系になっています。

利用料:初期導入費10万円(税別)+チケット売上金額×10%または12%
・10%の場合の例:チケット売上金額(1枚1,000円×販売枚数100枚)×10%=10,000円
・12%の場合の例:チケット売上金額(1枚1,000円×販売枚数100枚)×12%=12,000円

参加店舗が多いイベントの場合は、店舗情報の登録を弊社におまかせいただいたほうが、主催者様の作業が軽減できることになります。なお、店舗情報の登録を委託していただく場合は、専用シートへのご記入をお願いしています。イベント名などイベント情報の登録と、販売金額などチケット情報の登録は弊社で行います。

─イベントを繰り返し行う場合の利用料の考え方を教えてください。

佐々木さん:初期導入費は初回イベントの際にだけ申し受けます。同じ主催者様が2回目、3回目と実施する場合はかかりません。次回以降、イベント形態が異なっても構いません。例えば、初回は小さな街バル、次回は大規模な食べ歩きイベント、あるいはクーポン券代わりに使いたいといった場合も初期導入費が必要なのは初回のみです。

なお、一度登録した店舗情報は次回以降もお使いいただけます。初回の店舗情報登録は弊社におまかせいただき(12%)、次回開催時には店舗情報をそのまま活用する(10%)ことが可能です。

電子化で削減できる労力とコストをイベント作りに注いでほしい

─これまでの導入事例の中で、特に印象に残っているイベントを教えてください。

佐々木さん:静岡の飲み歩きイベント「第1回 静岡クラフトビアバル」(静岡おまちバル実行委員会様)で導入いただいたことが印象に残っています。青森県外で初めてご活用いただいた事例です。新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた頃で、イベントの延期といったこともありましたが、トラブルもなく、円滑にイベントを運営できたとのご報告を頂戴しました。

もうひとつが、埼玉県寄居町の飲食店めぐりイベント「よりい街バル」(寄居町商工会様)です。以前は他社の電子チケットサービスを利用していたそうですが、チケットをつづる機能がなく、「ぶらりん」に乗り換えていただいたという事例です。こちらも、スムーズに運営できたということで感謝されました。「ぶらりん」の特徴である「チケットをつづれる」ことがイベントの成功に寄与したという意味で印象深い事例となっています。

システム部・中家義和さん(左) 営業部・佐々木賢一さん(右)

─最後に、全国のイベント主催者に対してメッセージをお願いします。

中家さん:もともと「ぶらりん」は、私たちの地元を元気づけたいという思いから生まれた電子チケットアプリです。全国各地の地域活性化に尽力されているみなさまにご活用いただければと考えています。そのためにも、さまざまなイベント主催者様の声を反映しながら日々進化させています。電子チケットアプリ「ぶらりん」が、日本全国、地域の活性化に寄与できれば幸いです。

佐々木さん:食べ歩き・飲み歩きイベントの運用を、紙チケットから電子チケットに変えることで、コストや時間を大幅に削減できます。そこで生まれた余力を、より地域が盛り上がるイベント作りに当てていただければと思います。ぜひ電子チケットアプリ「ぶらりん」をご活用ください。

回遊型イベントに特化した電子チケットアプリ「ぶらりん」

食べ歩き・飲み歩き・回遊型イベントを手軽&スマートに開催できる電子チケットアプリ