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社内イベントを成功に導く方法 プロが伝えたい一番大切なこと

2022年8月2日

株式会社CITV(シティヴィ) イベント仕事人に聞く
イベモン(タメニーアートワークス株式会社)
法人事業部 イベントプロデュースグループ マネージャー 中谷 善紀(なかたに・よしのり)さん
「イベモン」(タメニーアートワークス株式会社/東京都品川区)は、社内イベントのプロデュースに特化したプロフェッショナル・サービスです。対面・オンライン・ハイブリッド形式の社内イベントを、企画から運営までワンストップでサポート。社員や関係者の心を動かし、企業・組織の発展を支援する、付加価値の高いイベントをプロデュースしています。

政府が主導する「働き方改革」や、私たちの生活を一変させたコロナ禍により、企業活動にリモートワークが浸透するなど、働き方が多様化しています。この変化は、企業と従業員の関係性にも影響を与え、社内コミュニケーションや、働く人のモチベーション維持に不安を抱える企業が増えています。

このような課題に対して、企業と従業員、あるいは従業員同士の良好な関係性構築のために活用されているのが社内イベントです。会場に参加者が集まって行う「対面形式」に加え、近年は、インターネットを介した「オンライン形式」や、対面とオンラインを組み合わせた「ハイブリッド形式」が一般化するなど、開催スタイルの選択肢が増えています。どのような社内イベントを実施すればよいのか、自社にマッチする方式はどれなのかと、お悩みのイベント担当者も多いのではないでしょうか。

今回は、イベントプロデュースの専門家であり、多くの企業イベントを手がけてきた、イベモン(タメニーアートワークス株式会社)の中谷さんに、現在の社内イベントの状況や、イベントを成功させるための秘訣をお聞きしました。対面・オンライン・ハイブリッド、それぞれの特徴や期待できる効果、注意すべき点、課題解決につながる社内イベントの作り方など、幅広く語っていただきました。

私たちがプロデュースするイベントの原点は「人の心を動かすこと」

─最初に「イベモン」事業について教えてください。

イベモン」は、お客様企業の事業発展のために、あらゆる社内イベントをプロデュースするサービスです。5年ほど前からスタートし、これまでに数多くの企業イベントをご支援してきました。

弊社はもともとウェディング関連のサービスを提供している会社です。格安結婚式・披露宴をプロデュースする「スマ婚」や、結婚式二次会の幹事を代行する「2次会くん」などを運営しています。これらのご利用者から、「ゲームが面白かった」「進行がスムーズでよかった」といった感想が寄せられますが、派生して、「会社のイベントもお願いできませんか」という相談を多数頂戴するようになりました。それに応える形で、社内イベントのプロデュースに特化したサービス「イベモン」を立ち上げました。

ウェディング業界は、祝福・喜び・感動・感謝といった、「人の心を動かす」ことを常に意識する業界です。また、社内イベントは、「モチベーション(やる気)」や「エンゲージメント(組織への愛着心)」の向上を目的としており、これも「人の心の動き」に関係しています。私たちがウェディング事業で培ってきた「人の心を動かす」ノウハウは、社内イベントの領域にも展開できる強みだと考えています。

イベモン(タメニーアートワークス)の中谷さん。業種を問わずさまざまな企業の社内イベントをプロデュース

対面形式で行う社内イベントのご依頼や相談が急増しています

─対面形式の社内イベントについて、期待できるイベント効果を教えてください。

社内イベントにはいろいろな種類がありますが、特にお客様からご依頼が多いのが、入社式・内定式や社員総会、表彰式、新年会、忘年会、周年記念式典などのイベントです。上場祝賀パーティーなどもあります。

イベント効果として期待できるのは、やはり従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上ですね。普段なかなか接点がない人、離れて働く仲間など、皆が一堂に会して顔を合わせてコミュニケーションする。パーソナルな部分を含めて従業員同士の絆が深まり、がんばろうという気持ちの高まりにつながっています。やはり、人にとって「会う」というのはとても大切なことなんだと思います。

また、会社の理念やミッションの理解を通して、組織への帰属意識が育まれたり、自分の仕事がどのような形で会社や社会に貢献できているのかを認識できたりします。これにより、組織や仲間との関係性が深まるといった効果が期待できます。

─対面形式ですと、違う部署の人と話せたり、同僚の新たな面を発見できたりします。

まさにその通りです。今まで交流がなかった人とも、歓談などを通して仲良くなるケースは多いです。対面形式のよいところですね。私たちが社内イベントをプロデュースする際には、チームで競えるゲームなど、参加者同士が自然とコミュニケーションできるコンテンツを取り入れるようにしています。

─一時、コロナの影響で対面形式のイベントが大幅に減りました。現状はどうですか?

この2~3年、コロナは企業活動に大きな影響を及ぼしました。イベント時の対策ノウハウが蓄積されてきた現在、対面形式の社内イベントを希望されるお客様が急増しています。お客様ご担当者によると、経営層が対面での開催を希望するケースが多く、リアルなイベントを望む従業員の声も増えているそうです。

イベモン」では、社員総会や表彰式、内定式・入社式をはじめ、さまざまな企業イベントを対面で実施しています。ホテルの宴会場などを会場として利用することが多く、もちろん感染症対策を施した上で開催します。感染症対策は会場側のガイドラインと、お客様企業の方針に沿って、しっかりと実施しています。

対面形式の社内イベント例。対面でのイベントを希望するお客様が増えている

オンライン形式の社内イベントは費用対効果も参加者満足度も高い

─コロナ禍の中でオンラインイベントが増えました。オンライン形式の特徴を教えてください。

オンラインイベントは、ZoomをはじめとするWeb会議ツールなどで参加者をつないで実施します。メリットと言えば、一般的に対面形式に比べて費用を抑えられることです。対面形式のイベントは、会場のレンタル代や参加者の移動交通費、場合によっては宿泊費用などがかかります。ところがオンラインなら、そのコストが丸々カットできます。その削減できた分を、イベントの中身に回すことで、結果として費用対効果が高くなるというわけです。

それぞれの専門スタッフがイベント現場を支えています

─オンライン形式でも十分なイベント効果が得られるのでしょうか?

対面イベントと比較しても遜色のない効果が期待できると考えていただいて結構です。イベント実施後に幹事様に参加者の反応をお聞きするのですが、「普段それほどコミュニケーションが多くない社員も、オンラインツールを使うことで積極的に会話できていた」といった感想をいただくことが少なくありません。

弊社では、幹事様だけでなく、イベント参加者にもアンケートをお願いしているのですが、「次回もオンラインを希望する」という声がとても多いです。参加者の中には、「遠方なので会場への移動が大変」とか、「対面のコミュニケーションは不得手」という方も結構いらっしゃって、そうした方々にとっては、自由な環境から参加できるオンライン形式が魅力的に映るのだと思います。

─オンラインイベントに適したコンテンツはありますか?

参加者同士のコミュニケーションを促進するために、ゲームコンテンツをご用意することが多いですね。特に好評なのが、参加者が5~6人のチームを組んで挑む「謎解きゲーム」です。ゲームを楽しんでもらうだけでなく、例えば社員総会の話をしっかり聞いていないと答えられない問題を仕込んだり、会社の商品やサービスに絡めた問題を出したりします。これはとても盛り上がりますね。

参加者がチームを組んで行う「謎解きゲーム」。会社ネタを仕込むと盛り上がる

─オンライン形式の社内イベントの注意点はありますか?

弊社は多くのイベントを企画・運営してきましたので、だいたいのトラブルは経験しています(笑)。そんな時もイベモンチームが誠心誠意サポートしますのでご安心ください。大切なのは、想定できることには事前にしっかりと対策しておく、ということです。

オンラインイベントで特に気を付けたいのが、参加者のネットやPCの環境です。少し前までは、音が聞こえない、映像が途切れるといったトラブルがありました。どれだけよいコンテンツを準備したとしても、それが参加者に届かなければ意味がありませんよね。

そこで弊社では、事前に通信やPCの状態のチェックをお願いしています。イベント開催前の一定期間、音声と映像がテストできる環境を用意して、都合のよいタイミングで参加者にアクセスしてもらいます。これにより、イベント当日になって音声や映像が途切れるという事態を回避しています。

ハイブリッドイベントは、対面とオンラインの“いいとこ取り”

─ハイブリッド形式の社内イベントについて教えてください。

実際の会場で行うイベントとオンラインを組み合わせたものがハイブリッド形式のイベントです。対面とオンライン、双方の“いいとこ取り”ができるのが一番の特徴だと思います。会場に行きたい人は会場に足を運び、遠隔地などで行けない人はオンラインで参加してもらいます。各自の状況や希望により、参加形態を選べるようにしている企業が多いと思います。

─具体的にはどのように実施するのでしょうか?

ハイブリッド形式で多いのが、ホテルのバンケットルームなど比較的大きめの会場に参加者を招いてイベントを開催し、その様子を撮影してリアルタイムにオンライン配信にのせるという形です。

弊社では、会場に複数のカメラを入れ、いろいろな視点から撮影することが多いです。例えばスピーチの場面では、客席側から壇上のスピーカー(話者)を映す構図に加え、ステージ上のカメラで参加者の表情をとらえます。それらの映像を現地スタッフがスイッチングしてネットに送り出します。オンライン参加者に会場の雰囲気を臨場感をもって伝えることで、全ての参加者に「皆と一緒にいる」「自分も参加している」という感覚を抱いてもらえるよう工夫しています。

─ハイブリッドイベントのコンテンツや実施する上での注意点を教えてください。

ハイブリッド形式は対面とオンラインをミックスしたものですので、それぞれのコンテンツを適宜アレンジして実施することが多いです。例えば、会場で行うゲームを生中継してオンラインの人にも参加してもらいます。あるいは、オンライン用のコンテンツをリアル会場の参加者を含めて実施することもあります。お客様のご希望をお聞きして、ベストなコンテンツをご提案します。

ハイブリッドイベントでは、会場参加者とオンライン参加者の間に「温度差を作らないこと」を心がけています。リアル会場だけが盛り上がって、オンライン参加の人が置いてきぼり…といった状況を作らないことですね。そのために、参加者全員に同じゲームに参加してもらったり、リアル会場に設置したモニターを通して一緒に歓談できたりと、さまざまな仕掛けを用意しています。

複数会場をオンラインで結んだハイブリッド形式の社内イベントの様子

社内イベントで大切なのは「組織の課題把握」。これがすべての土台

─どのような手順で社内イベントをプロデュースしていますか?

まず、お客様ご担当者(幹事様)に、どのようなイベントをお考えかをヒアリングさせていただきます。イベントの目的やありたい姿、ゴールイメージなどをお聞きした上で、弊社からイベント内容をご提案させていただくという流れになります。準備期間は平均で3ヶ月ぐらいですね。イベント開催日の3週間前にご依頼いただき無事に実施したというケースもありますが、余裕をもってご相談いただけますと助かります。もちろん構想段階でも構いません。

─ご相談する際に何か準備しておくものはありますか?

そのイベントをなぜ実施するのか、組織・会社がどのような課題を抱えているのかといったことについて、社内である程度コンセンサスを取っておいていただけるとスムーズにご提案できます。私たちがこの部分にこだわるのは、実施すること自体が目的化しないよう、またイベント効果の最大化を目指しているからです。

─あらためてイベモンの強みは何でしょうか?

一般的なイベント制作会社さんに比べ、コストパフォーマンスが高いところが強みだと思います。このパフォーマンスというのは、例えば、従業員のモチベーションを高める、エンゲージメントを向上させるといったことを意味しています。また、あらゆるイベント業務に対応できるのも強みのひとつです。イベント企画はもちろん、会場のご提案、機材手配、スタッフ、当日運営など、何でもお気軽にご相談ください。

弊社には映像制作のリソースもありますので、事前にムービーを製作して、それを当日流すことも多いです。いまやイベントに映像は欠かせません。イベント当日の様子を撮影し、順次編集して最後に流す「ダイジェストエンドロール」も好評です。その日の情景や思いが、感動とともに参加者の胸に強く印象付けられます。結婚披露宴での定番ですが、ウェディング事業におけるノウハウがこういうところに生かされています。

私たちはイベントのプロデュースを行っていますが、あくまでもイベントは手段であると考えています。一番の目的は、イベントを実施することではなく、イベントにより組織が抱える課題を解決することだからです。

─社内イベントを事業推進のツールとして利用してほしいと…。

そうです。組織課題の解決を前提としているからこそ、イベント終了後に幹事様や参加者へのアンケートを行い、それをもとに、次回につなげるための打ち合わせを必ず行います。よい意見が出た部分については継続し、ネガティブな指摘については次回以降の改善策を考えます。ネクストアクションを含めたご提案をすることで、着実にお客様の課題の解決へとつながるようサポートしています。

「イベントは手段、目的は組織の課題を解決すること」と話す中谷さん

─これまで手がけたイベントで印象に残っている事例があれば教えてください。

そうですね、強く記憶に残っているのは、参加者の多くから「これまでの社内イベントの中で一番よかったです」とコメントをいただいた、ウェディング業界のお客様のイベントですね。

表彰式のシーンでは、グリーンバックを使って背景合成をしたり、受賞者のコメントに加えて、その案件に関わった上司などがサプライズでメッセージを贈ったりする演出を取り入れ、大変好評でした。実は結婚式ではよく使う手法で、ウェディング事業のノウハウが奏功した事例でもあります。私たちのご提案が、同じウェディング業界のお客様にご評価いただけたことが何よりも嬉しかったですね。

ちなみに、弊社はイベントコンテンツの開発に力を入れていて、先日も、コンテンツ開発に特化した新たなプロジェクトがスタートしました。企画が得意なメンバーを集めて、お客様に喜んでいただけるアイディアを議論しています。近いうちに、斬新なコンテンツをご提案できるかもしれません。どうぞご期待ください。

─最後にイベント担当者へのアドバイスをお願いします。

やはり、解決すべき組織の課題や、イベントを実施する目的を明確にすることから始めるのが大事です。それを起点に、どのような形のイベントがよいのかを見極め、その後にコンテンツを考える。つまり、大きなところから徐々にブレイクダウンしていく方法がよいと思います。

イベントは魔法ではないため、1回ですべてが解決できるわけではありません。社内イベントを一過性のもので終わらせず、例えば年間スケジュールを引いていただき、一歩一歩着実に目的に近づいていくことが重要です。これが社内イベントを実施する上での大切なポイントとなります。ぜひご一緒に社内イベントを成功させましょう。

ありがとうございました。