イベントコラム

ハードパンチャーしんのすけの大道芸人を呼んでみよう! 連載第2回:大道芸の種類

連載・ハードパンチャーしんのすけの大道芸人を呼んでみよう!

イベント仕事人に聞く 連載

有限会社にぢゅうまる企画

代表取締役 矢熊 進之助 さん

受験雑誌に掲載されていたピーター・フランクル氏(数学者・ジャグラー)のコラムに触発されてジャグリングを始める。東京大学進学後はジャグリングサークル「マラバリスタ」に所属しジャグリングを学ぶ。ジャグラーとしての活動を行いながら、研究者を目指し東京大学大学院博士過程へ進学。しかし、ジャグリングの魅力から逃れられず進路を変更し、2002年からプロジャグラーとしての活動を開始。東京都ヘブンアーティスト、KOTO街かどアーティスト。ジャグリングショー、ジャグリング講師の活動に加え、代表を務めるにぢゅうまる企画では、大道芸イベントの企画・運営を行っている。

大道芸の種類

にぢゅうまる企画は東京の下町に事務所を構えています。

周辺には江戸時代の史跡などが残っており、歴史好きには歩くのがとても楽しい土地です。事務所から隅田川に出て、上流に向かって歩を進めると、ほどなく両国橋に至ります。

江戸時代、両国橋のたもとでは芸能が栄えていたそうです。辻に立つ大道芸人。口上芸、曲芸、細工物などと呼ばれる精巧な見せ物…。評判を呼んだ芸人は、やがて、出し物が大掛かりになり、小屋掛けで常設公演を打つようになります。

そんなかつての芸能の姿を想像しながらの下町散策。大道芸を仕事とする私にとっては特別な時間です。

さて、現在の「大道芸」はどのような姿をしているのでしょうか。本コラムで大道芸イベントについて掘り下げるにあたり、まずはじめに「大道芸」のジャンルを概観します

大道芸3つの形態

「大道芸人」あるいは「パフォーマー」は、パフォーマンスの実施形態によって、次のような3つの形におおまかに分類できます。

1.サークルショー(ステージ、大道芸)
2.回遊パフォーマンス
3.スタチュー/常駐型パフォーマンス

以下では、それぞれの形態について簡単に解説します。

1.サークルショー

ステージ形式のショースタイルです。文字通りステージを用意して、MCの紹介の下に華麗なショーを披露します。また、ステージは使わず、その場にいる人たちの注意を惹き、ショーに巻き込み、人だかりをつくっていくような形式も可能です。

前者はパーティーや商業施設などの販促イベントに活用されることが多いです。一方、後者はお祭りだったり、まちづくりのプランの中に組み込まれることが多いように思います。

芸の種類としては、ジャグリング、マジック、バルーン、パントマイム、アクロバット、ダンス、クラウン、音楽、古典芸能…など。それぞれに特性がありますが、これについてはまた稿を改めてきちんとご紹介します。

2.回遊パフォーマンス

移動型のパフォーマンスです。お客様と大道芸人との直接的なコミュケーションが図れます。出会ったら目を離すことができないキャッチーなキャラクターで、ハプニングの楽しさを提供します。

テーマパークなどでは、しばしば「アトモスフィア・ショー」と呼ばれます。その意味の通り、空間演出として、非常に有効な手段です。商業施設では、お客様の流動性を高めます。また、遭遇したお客様をリラックスした状態にすることができるため、印象深い時間を提供できます。

芸の種類としては、身体表現をベースとしたキャラクター性のあるもの、音楽、クラウン、バルーン…などがあります。

3.スタチュー/常駐型パフォーマンス

スタチューとは、日本語で言うと「銅像」。正確に言うと「Living Statue」。生きている銅像です。アート作品として設置されていると思っていたものが、突如動き出したら…。みなさんも驚いたことがあるのではないでしょうか。そこにはユーモアも込められているため、お客様にとても強い印象を残します。スタチューは、日常に溶け込んで、ちょっとしたサプライズを提供します。

常駐型のパフォーマンスは、それだけにとどまらず、例えば、お客様の目の前で絵画作品を完成させるライブペインティングだったり、バルーン作品の製作・プレゼント、あるいは、フェイスペイントなどがあります。

これらは、たくさんの人を集めるタイプの芸ではありませんが、短い時間でお客様に満足感を与えることができるのが特徴です。

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大道芸人の熱い空気を感じてみよう

大道芸には、場所や規模に応じた様々な形があり、その場、その時に合わせて最適なエンターテインメントを提供できます。目の前で繰り広げられるパフォーマンス。驚き、楽しみ、感動。それこそが大道芸の魅力です。

大道芸の歴史を振り返ると、江戸時代には、雑多な芸がありました。道行く人たちを楽しませるようなちょっとした芸から、小屋掛けが必要な大掛かりなものまで。まちの空気を吸いながら多様な発展を遂げ、日本の芸能シーンをつくる土壌となってきました。

現在の大道芸も同様です。大道芸人/パフォーマーたちは、新しいエンターテインメントを求めて、日々芸を磨いています。ぜひ、大道芸の現場を、その熱い空気を感じてみてください。

連載・ハードパンチャーしんのすけの大道芸人を呼んでみよう!

有限会社にぢゅうまる企画

大道芸で楽しい時間を提供。全国各地に大道芸人・パフォーマーを派遣します